風水アイテム 


アイテムを用いる

風水上好ましくないと判断された箇所には、
「アイテムを置く事で、無理矢理帳尻を合わせちまおう」
と云う発想が生まれる。
例えば自分の位置が「木」の要素を持ち、自分に対面する何かが「金」の要素を持って居る等の場合は、(金克木)と成るのでこちらに都合が悪い。そこで、金と木の間に「水」の要素を持つ、例えば金魚鉢等を置く事で「金は水を生じ(金生水)水は木を生ず(水生木)」という相生の流れが作り出せ、且つ赤色である金魚は「火」の要素を持って居るので、こちらに害の有る金の要素に対して(火克金)、つまり金の要素を打ち消す効力を持つので、其処で生じる悪影響を解消出来るという論理だ。
道具、アイテムで「無理矢理何とかする」方法を、ケース毎に見ていこう。
 


 

龍脈を作る

風水上好ましい地形の場所が、どうしていいのか?と云うと、そういう場所には結果的に「龍脈」が走って、「龍穴」があるからだという。「龍脈」と云うのは龍の通り道である。
中国乃至は中国文化の影響を受けた圏内での「龍」は最高の神通力を持った存在であり、吉祥の象徴である。道教の神々が増えて来ると徐々に「龍王」の地位は低くなっていったんだろう(例えば封神演義での龍王の三男は哪咤に背筋を引っこ抜かれ、西遊記での龍王は悟空に虐められ、挙句に天界の宴席の料理に龍の肝が乗っかっていたり する)が、兎に角、「龍脈がねえなら作っちまえ」といった発想で用いるのが此処に紹介するアイテム群だ。

先ず龍脈・龍穴を作るのにどうするかというと、「龍の置物を置こう」という安直な考えに至るのは人情か。其の為のアイテムがこれだ。
オーソドックスな龍の置物。
龍の爪は三本なのが庶民の龍。以降増えていって、五本爪なのが皇帝に許された龍なのだとか。
昇り龍の方が猶良いと云う話も。
陰陽相俟ってどうこう・・・。
もう一発。
五本指のやつ。同じ昇り竜でも、山を登るデザインのがいいらしい。
然も「五本指のやつなら床の間に置いてもいい」という。床の間は上位の者が居座る場所なので、三本指の龍如きが居ちゃイカンのだそうだ。併しそもそも床の間なんてものは日本のもので、中国の風水師が本当にそんな事言ってたんかよ!と思えなくも無い。

龍一般の注意点として、龍は水を好むので、近くに こんなやつに水を入れて置いておかねばならないらしい。
逆に龍は水の生き物なので電磁波を嫌う。随って龍の置物はテレビや電子レンジの傍に置いちゃいけないという。

注※何で「水の生き物」だから「電磁波を嫌う」のか皆目解らなかったが、多分電子レンジが水を温める事から、「電磁波は全部水を温める」と勘違いした人が言い始めたものか?
実際には水の温度に影響を与える電磁波は赤外線やマイクロ波だけらしい。「電磁波なら何でも駄目」というんであれば、日に当ててはいけない。可視光や紫外線だって電磁波だ。

赤外線やマイクロ波は電気的に偏りを持つ分子や、三つ以上の原子から成る分子を振動させる。其の上電子レンジの出すマイクロ波(ミリ波?)は2.45GHzで、水の振動数に合わせてあるので、水の分子を効率的に振動させて運動エネルギーを与える=温度を上げる。らしい。

一方テレビ放送の電波はVHFで30〜300MHz。UHFで3GHz。確かにUHFならマイクロ波(極超短波)と言い得、水の分子を振動させて、温度を上昇させてしまうかも知れないが、併し、3GHzと云うのは、映像だの音声だのを乗っけて来る電波の送信されて来る時の周波数であって、テレビ受像機自体の発する電磁波の周波数じゃないんじゃないかい???
電磁波の強さで言おうとすると、ボルトメートル(電界)だとかガウス(磁界)だとか単位が変わるんだろうが、単純に周波数で言えばTV画面から出る電磁波は17kHzだったとかいう話がある。それプラス、日本の電源の周波数が50〜60Hzなんだから、TVから出る電波の周波数なんて、それ位のもんなのではなかろうか?

同じ3GHzとは云え、レンジとTVでは出力(ワット数?)が違うだろうし、距離に因る電磁波自体の減衰も考慮しなきゃならんだろうから一概にどっちが危険とは言えんが、TVが電子レンジと同様の脅威であるといった主張が正しいとして、電磁波が洩れない様にシールドをくっ付けてある電子レンジと同じ周波数・同じ出力の電磁波が、シールドも付けていないTVから仮に出ているとしたら、これは恐ろしいし、第一、電子レンジと同じ電力量を食う様な電化製品を丸一日点けっ放しにしていられるわけが無いんじゃないかとも思える。

兎も角も、TVに受信させる為に放送局から発されている3GHzの電磁波は、其処にTVが有ろうと無かろうと、我々の体を通過している筈である。という事は、龍の置物(銅製)を何処に置こうが、放送局からの3GHzの電磁波は、龍の置物を貫通しているんではないのか。

其の前に、電子レンジの周波数が水の振動数に合わせてあるのだとすれば、水も高エネルギー状態の時(例えば高温の時?)には同じ周波数のマイクロ波を放出するだろう。
「龍は水の生き物だから」の「生き物」が、「水生生物」と云う意味で使われているなら、勿論電磁波で温められた水に棲むのは嫌だろうから「マイクロ波が嫌い」でもいいだろうが、「水の生き物」と云うのが「水そのものと云っていい位、水の性質に似た生物」と云う意味だったとしたら、
「龍は水の生き物だからマイクロ波からエネルギーを貰う」
とした方がいいのではないか。そして又、マイクロ波からエネルギーを貰った龍は、其の余剰分(?)のエネルギーを同じ周波数のマイクロ波として放出するのである。



龍穴を作る

それから龍穴を作り出すのに、こんな物を使う。

いずれも、水の力で乗っかっている「龍珠」を回すという代物。
●水を好む龍
●水が循環するから新鮮な気が循環する
等のキーワードをイメージすると理解し易いか。
中国だか香港だかの企業のビルの玄関先に、これのもっと巨大な物(2トンの大石を回すものも有ると云う)が置いてあるらしい。

因みに変わったところでは、財神の足元で龍珠が回るタイプの物も有る。
 文財神関羽
関羽も関帝聖君と云う神様として信仰されているが、武神としてと同時に武財神としての一面も有る。
龍珠が回る事で龍穴を作り出し、猶且つ財神の恩恵も受けようと云う発想。

また、

上記の様な、所謂「羅盤」を用いて場の気を安定させるのにも使う。
「羅盤」とは、風水師が風水の良し悪しをみるのに使うコンパス付きの道具だが、使わない時は置いておくだけで周邊の気を整えるらしい。
一番右のは「羅盤」じゃなくて「気の安定盤」か?

ところで「気を安定させる」と言うが、人の「気性」はどうにもならんのだろうか?
何もこの「気の安定盤」に限らず、先に挙げた五行の法則を用いた方法でも何でも良いが、「人の気性を穏やかに安定させる方法」くらいは風水に有っても良さそうなものなのだが、某風水アイテム販売店で、店主のオバチャンが取引先にだと思うが、電話で厭味を言っていたのを聴いた事が有る。それも、その内容でそんな言い方しなくてもいいんじゃないかといった内容の話を、わざわざ物凄く厭〜な言い方で取引先の担当者を疵付ける様な発言を繰り返していた。
風水アイテム販売店であるから、言う迄も無く一般家庭では考えられない様な量の風水アイテムに囲まれて生活している訳だが、一向にオバチャンの厭味癖は改善されていない様だ。
この事から、風水アイテムには気性の荒い人間を穏やかにさせる効果とか、人を思い遣る気遣いを育む効果は無いものと推測される。
只、その店は近年リニューアルも果たし、繁盛している様だから、金運には効果が有るのかも知れない。
風水アイテムが有るから儲かってんのか、風水アイテム自体に人気が有るから繁盛してんのか知らんが。



 

四神相応を作り出す

風水上好ましいロケーションと云うのは、先にも述べた様に東西南北(中国では東南西北)に青龍・白虎・朱雀・玄武の四神を象徴する物がある状況であるが、それもアイテムで無理矢理作り出す。

いずれの写真もめんどくさいので四神がセットになった物の紹介。
置き方
[方法一]家の中心に立ってメインの入り口の方を向き、其の方向を南、右手が西、左が東、後ろが北と考えて夫々の像を置く。
[方法二]上の方法を、方位磁石を用いて正確に東西南北を割り出して、正確な方角に置く。
どっちの方法がいいかは状況に依るらしいので、両方試すといいらしい。

普通は四神相応にしたら其処でやめるんだろうが、前ページ一番上の表に示した様に、東西南北の中央にだけ聖獣が居ないので、便宜的に麒麟を配する考え方も有る様だ。だからといって四神相応の状況を作り出すのに、部屋の中央に麒麟の像を置いたりはしないだろうが、一応麒麟の像も紹介しておく。
ペア麒麟
麒麟は雌雄同型で、それをペアで置く。一体、亦は三体で置く事も有る様だ。リビングに置けとか玄関に置けとか、指示が定まらない。
 



 

煞を封じる

扨、室内の風水を見る時に、アソコに鏡が有るのが駄目だとか、壁の色が悪ィのどうのと、アレも駄目、コレも駄目と始まる事が有る。
こうだから気の流れが悪い、アソコから悪い気が出ている、鬼門をほっとくな・・・等。
そういうものもアイテムで何とかなるものらしい。
例えばベッドに寝た時、自分の頭の上に梁が出ている場合、「梁煞」と云って「煞気」が出ているんだとか。これを解消するのにこんな水晶ボールを吊るしたり、家の前にカーブの外面が向いている場合を「反弓路」といい、

こんな「泰山石敢当」という物を置いたりする。

亦、隣の家の屋根の角や、壁面の角がこちらを向いているのを「屋角煞」といい、凸面鏡で撥ね返したりする。
煞を解消するのには凸面鏡を使うばかりではない。鏡関係は色々有って、凹面鏡や平面鏡を、状況に応じて使い分ける。
凸鏡 凹鏡 平面鏡
写真は只の鏡ではなく、八卦のデザインの物。魔は八卦を恐れるらしいので(中国の魔限定か)、魔除けにもなるらしい。
凸面は邪気を跳ね返し、凹面は邪気をもみ消す、亦は良い気に変える。理由は凹面鏡には上下反対に映るからだそうで、こじつけじゃねえんかいと云った観も有る。平面鏡は部屋に「欠け(検索してね)」が有る場合や、近隣に神社・仏閣・墓地が在る場合なんぞに、そっちに向けて使うらしい。

あそこの気が駄目、あそこの形状が駄目・・・と風水先生に難癖を付けられて、イチイチそれに対応するアイテムを揃えていたんでは、部屋の中が「最近の横浜中華街の小物屋」みたいになってしまう。
中国の或る風水サイトに、「こんな煞が有る時、どう和解(解消と云う意味か)するか」を扱ったものがあるが、其処ではどんな煞であろうが、ほぼ何でもかんでも解決法に「山海鎮」と云うアイテムを推す。

当該サイトでは「凸面鏡or山海鎮」「八卦鏡or山海鎮」「龍の置物or山海鎮」と云った具合に、必ずと言っていい程アドヴァイスに山海鎮が出て来る。どうしても売りたいらしい。
この山海鎮、様々なデザインが有るが、説明文に依っては「風水上の全ての要素が詰まっている」と大きな事を言う。
大体が八卦とか日月、鎮宅、招財を意味するマークやら霊幻道士が書く様なお札の文字が書かれてるんだろうが、それで風水上の要素を全て網羅しているかどうかの真偽は不明だ。

今迄さんざっぱら「八卦」と云う言葉を用いて来たが、改めて八卦と云う物を説明すると、月の満ち欠けの八段階っつートコか。満月を陽として、真っ暗になるのを陰とする乾・巽・離・艮・兌・坎・震・坤の八段階。
魔は八卦を恐れるというんで、此の八卦自体を持ち歩いて魔除けとする場合も有る。
財布に入るサイズの銅製八卦古銭
ペンダントトップ 御手軽八卦シール

八卦が陽〜陰の八段階と云う事は、陰と陽だけ示しても同じなわけで、それが八卦マークの真ん中によくある「インヤン」マークだ。世の中全て陰陽で成り立っていると云う思想から、これを持ってれば、なんかイイ事があんじゃなかろうかと云う発想に繋がっていく。
八卦から陰陽から何でもかんでも詰め込んだ図形を河洛易学研習社と云うトコの林其山と云う人が監修して作ったのが「乾坤寶照圖」。
これ
説明文に拠れば、
 「周易(中国古代の易学)の最高理論、河図、洛書、八卦図などすべてを統合させたもの。百年禁忌(こわいものなし)で護られ、何時でも、どこでも、何に対してもこれを使えば思いがけない奇跡・効果が起こると言われている。
 主な効用
招財、健康、消災、厄除け、開運、地鎮、護身、家内安全、交通安全」
だそうです。



 

こじつける

凹面八卦鏡の項で言ったが、もう一度凹面鏡の説明をすると、
「煞気を良い気に変えてしまう効果有り。その理由は凹面鏡というのは映りが逆になるから
で、そっから転じて煞気が逆になって良い気になる」
となる。これはこじつけだ。
一番上の五行の表も根拠が不明確だし、五行相生・相克もこじつけだ。

「煞」というのは「殺」とも書き直される様に、まあ「悪い物を誘発する気」みたいな意味か。
例えば上でも述べたが、隣の屋根の角がこちらに向いている時は「屋角煞」と言う様に、何か尖った物が見えるとか、こちらに向いてるといった状況が有ると、大概「なんとか煞」と名が付いたりする。
それからT字路の突き当たりに家が在った場合を「路沖煞」とか云ったかな?「T字路の突き当たりは危ない」と云う理由の他に、「尖った物がこっちを向いてる」もそうだが、これ等を「気の流れ」で説明されれば、「はあ、そうなんすか」と言えなくも無い。つまり、
「先端や突き当りからは攻撃的な気が出ているんです」
と言われたらそれまでだと云う事だ。が、中には明らかにこじつけじゃねえのかという煞もある。

「天斬煞」と云うのは、家の両脇に高い建物が在る場合の煞。理由は、「上から斬られる様な圧迫感が有るから」だそうだ。「押し潰される様な」ならまだ解るが、何でいきなり「斬られる様な」と云う表現が出て来たものか。どっちにしろ圧迫感が有るから何だと云うのか。気の話と全然関係ねえじゃねえか。だがこれも、
「押し潰される様な圧迫感が在ると云う事は、そんな圧迫する気が出ているからなんだよ」
と言われれば、「はあ、そうなんすか」と言う他有るまい。

もっと酷いのは「火形煞」と云うやつで、「家から赤い屋根が三つ見えたらヤバイ」のだそうだ。理由は「火を連想させるから」。
「あんたが勝手に火を連想してるだけじゃねえのか」
と言いたくなる。「あしたのジョー」の矢吹丈は、鑑別所の性格診断で「赤と云う色から何を連想するかね?」と訊かれて、「血」と答えている。因みに私なら「ポスト」だ。
火を連想して困るなら連想しなきゃいい。イチイチ何処かの風水先生の連想した物を気にしていたらキリが無い。
いや、其の前に赤い屋根なんかを首を上下左右に動かしながら、わざわざ探すんじゃない!
見付けなきゃ判らん様な物をわざわざ見付けて文句を付けるんなら何だって出来よう。
赤い物が悪いんなら、別段屋根に限定するのも不自然だ。
「東京タワーと交番の赤電球と、闘牛の赤布が見えるから八卦鏡を取り付けましょう」
でも可笑しくあるまい。
赤は火を連想・・・と云うのは五行思想から来るもんだろうが、では黒い物は水を連想させるので、湿気によるカビ・疫病やら洪水を惧れなくていいんかい?と云う話にもなろう。
或る程度の規模の都市に住んでいれば、赤い屋根なぞ腐る程見付かりそうだが、風水師は東京のど真ん中ででもイチイチ文句を付けるのだろうか。


拙サイト中「儒教」コンテンツの
民間信仰の項目でも触れたが、逆さ福の字を壁に貼る風習も、
福が倒れる「福倒了(ぷーたおら)」と、福が到来する「福到来」の発音が似ている事からのこじつけだ。

亦、風水鑑定上、家の中心に「西」を持って来なくてはならない場合にどうするかと云った案件の解決法が、何と鳥かごを家の中心に持って来る事であって、それは何故かと云うに、「鳥は酉であり、酉と云う字は西に似ているから」と云うこじつけの解決法だった。

それから、家の寸法が風水上良くない寸法であった場合、例えば梁の長さとか柱の長さを今更変える訳にいかないと云う事が有る。そんな時に風水上の悪い寸法の表示が一切消された、
風水尺
↑こういう物を家に取り付けて、「寸法が良かった事にしよう」ってんで解決してしまうとか、兎角こじつけ疑惑が絶えない風水なのであるが、アイテム上「こじつけじゃねえんか」と云った類いの物を色々挙げてみよう。


先ずはコウモリ。
 まんまコウモリ 八卦の上にコウモリマーク
コウモリは漢字で書くと蝙蝠。
此の二文字目の「蝠」の字の発音が「福」の字の発音と似ていると云う、それだけのこじつけ。


そして、
これは何でしょう。

犬です。入り口付近に外に向けて置くと番犬になるんだそうだ。銅製の犬で邪を跳ね返せるんなら、、本物の犬だったら駄目なんだろうか。犬を飼ってない人向けか。
今更乍らに申上げるが、風水でこういうアイテムを使う場合、銅製がいいんだそうで。
してみれば銅製の101匹わんちゃんの置物でもいいのか。其の前に犬じゃなくてもいいんじゃないか。
風水の獅子
↑例えばこう云う立派な物があるんだったら、こう云う物を外に向けて置きゃあいいんであって、わざわざ哀愁漂う犬を使う要は有るまいと思われるのだが。


次に、
馬。
馬は精力旺盛と云うか生命力を象徴するので、財運と事業運を高めるんだそうだ。
旺盛な生命力は、別にこれも馬ばっかりじゃないんじゃないかと云う気も。ヘビとかゴキブリじゃ駄目なんかい。
それから昔は馬を交通手段として使っていたんで、 引越し、転職、人事異動の際にも頼れるらしい。移動手段と云う事なら家の駐車場に車やバイクが有るだけじゃ駄目か?銅製じゃないから。

 
更に、
にわとり。
説明文を読むに、
「向かい側の建物の外壁に非常用のはしごのようなものが掛かっている場合は、陰の気を発生させるムカデを連想させるから、風水上良くないとされている」
そこで、銅製の鶏を窓辺にハシゴヘ向けて置くことで、
「鶏が虫を食べてしまうように、陰の気をついばんでくれる」
更に、
「疳の虫、浮気の虫も食べてくれるといわれています。」
ですって。
販売会社に依っては、
「自分に悪い噂が立たない様に」置くんだそうだが、これは根拠が良く分らん。
こじつけの最たるものは、
「鶏の置物を置くと、電磁波対策に良い」
と云うもので、其の理由が、
「電線はミミズに似ているから、電線から発する電磁波を喰ってくれる」
んだそうだ。
ミミズ状の物体から放射される電磁波しか喰ってくれないのか。
逆にミミズ状の物体から放射される電磁波は全部喰ってしまうのだろうか。だとしたら、白熱球のフィラメントから発する白色光も喰ってしまうのか?ダウンライトの下で暮らしている人は大変だ。
人間の血管も、赤外線くらいは放射しているが・・・。
そもそも「ミミズに似ているから」だと言うんなら、電磁波によらずミミズに似ている物なら何でも喰ってしまうのだろうか。それも場合に依っては困るんではないかと思われる。
 



 

アイテムを組み合わせる

風水を整えて金運を高めるというのにもアイテムが使われるが、以下に挙げる物は(私の認識では慥か)全部組み合わせて使える。組み合わせると効力がアップするのだそうだ。

貔貅(ひきゅう)

貔貅は雄雌一組で使う。正面から見て左に雄、右に雌と云う配置で、玄関の方を向けて置く。亦、以下の物を組み合わせて使う。
水入れ 牛鈴
「水入れ(盃)」は、これまた「貔貅が水を好むから」だそうで、「牛鈴」は、眠りたがり屋の貔貅を起こすのに首にかけて使う。たまにコイツを鳴らしてあげないと寝てしまうらしい。

貔貅はどちらかと云えばギャンブルや宝くじ等で得る「偏財」を招く物らしいが、対してまっとうな仕事で得る「正財」を招くのが、下の龍亀(ろんぐい)。

龍の頭に亀の体。入り口の方を向けて置く方法も有るらしいが、金庫の脇だとか、道教の財神の横だとか、そんな置き方をしても良いらしい。

貔貅・龍亀に共通で組み合わせられるアイテムが以下。
十宝
金・銀・銅・生鉄・真珠・メノウ・玉・五色の色布・天地卦銭・五穀が基本の内容だが、物に依って違うかも。
貔貅・龍亀共に、高額なものだと蓋付きで、内部に何か入れられる様になっているが、其の中に入れて使う。

六帝古銭
貔貅・龍亀の首にかけて使う。「古銭」に就いては後述。

貔貅が偏財、龍亀が正財。どちらとも言えないのが次の三脚蟾蜍(せんじょ)。

事務所や店舗の入り口に置くと、三本足で前方と左右の財をかき集めると云う。
「劉海蟾(りゅうかいせん)」と云う仙人の飼い蛙なので、「劉海仙人到(リウハイシエンレンタオ・・・か?)」と云うと、吃驚して今迄溜め込んだ財を吐き出すと云う。これも口に古銭を咥えさせたりする。

こうした風水キャラクター共通の組み合わせアイテムが以下。
「元寶(げんぽう)」
よくクンフー映画に出て来た、昔の通貨としての金塊なんだろう。日本で云えば大判小判の大判みたいなものか。中国の「めでたい絵」にもよく書いてあるし、麒麟の像が足で踏みつけてたりする。
昔の「大きなお金」だから財の象徴だと云うんだろうが、無理に中国の昔の金をモチーフにした物を使うんだったら、日本式にレプリカの大判小判を使っても良さそうな気がする。
これの小型の物は矢張り貔貅等の体内に入れて使う。

古銭。
五帝古銭 六帝古銭 七帝古銭 十帝古銭
ここに紹介したのは、要は清朝の順治皇帝から宣徳皇帝までの10代の間に流通していた古銭。其の裡の何枚用いるかで枚数が変わると云う事。
出来れば本物がいいんだろうが、レプリカが多い。レプリカでも銅製ならいいんだろうが、プラスティックも有ったりする。これらを招財アイテムと組み合わせると、アイテムがパワーアップすると云う。
何故清朝の古銭かと云うと、この時代の皇帝達は権力が強く、威厳が有ったので、其の力にあやかろうという事だ。他の時代の皇帝は威厳が無かったんだろうか?
どっちにしても清王朝は滅亡してるんだが。滅亡した王朝の力にあやかろうという・・・。
因みに清朝と云うのは満州族が代々皇帝で、清朝が倒れた後に、待ってましたとばかりに漢族が政権を取り戻し、満州族は追っ払われたわけだが、今更になって「あの時代の皇帝は素晴らしかった」だの「清朝の威光にあやかろう」だのとはどう云う思考プロセスだろう。

亦、レプリカでも銅ならマシだと言ったが、銅製の変わりダネで以下の様な物も有る。
←上で一度出したが
古銭と云うのは其の時代時代で「順治通宝」だとか「乾隆通宝」だとか名前が有るが、これらはそんな事は御構い無しで、「招財進寶」と願いの文句が書いてあったり、八卦が刻んであったりする。それでも商品名は「古銭」なんだそうだ。
一番右のは本当に銅製か?

それから、貔貅・龍亀・三脚蟾蜍を財神の隣に置くと云うのもアリ。
何と35万円の関帝 財神
財神 財神

めんどくさい人には↓こんなSETも。

只、個人的には財神を置くにしろ福徳正神(土地神)を置くにしろ関帝を置くにしろ媽祖を置くにしろ、本場から道士を呼んで魂入れして貰わないと意味無いんじゃないかと思えたり。
仏壇の位牌や仏像だって坊さんに魂入れして貰うんだろうし。

そしてお香も焚くといいんだそうで。
一番安くて流通してるやつ
これは中華街じゃなくても、中華小物を扱ってる店なら、「また有った!これしか仕入れられねえんかよ」という程、大抵置いてある。
写真は茶色の白檀の香りだが、紫のジャスミン(?)、赤の薔薇が有る。メーカーが違うが明らかにパッケージを真似してある黄色のキンモクセイも有る。 
どうせ焚くんなら横浜関帝廟で焚かれている線香の匂いが私は一番好きなんだが、あれは高いんだろうか、横浜中華街で一般に売られてはいない。売っているのは芯が赤くて本体が真っ黄色な、イマイチな香りの物のみ。中華街天宝堂の本町通り沿いの店舗なら或いは置いてあったかも知れんが、今は店舗自体無いか?
只、2009年、手頃な価格で関帝廟風の匂いのする線香を、同じく中華街の萬順行で見付けた。今売っているかどうか知らんが。
※2010年現在売っているのを確認。ところで萬順行はいいのだが、関係無いが南萬順行が潰れてしまったのにはショック。中国の本場に在りそうな佇まいだったのになあ。萬順行とは親戚関係だったのだそうだ。 

中華街といえば、
最近猫も杓子も「食べるラー油」だが、中華街でも御他聞に漏れず「食べるラー油」を作って売っている。
私は一般に売られている「食べるラー油」というものを買ったことが無かったので、写真のものではないが、中華街で一個買ってみた。
食ってみて思ったが、中華街で製造・販売している「食べるラー油」の全てがそうではあるまいが、尠くとも私が買ったラー油は、一般的に求められている様な「食べるラー油」の味ではないのではなかろうか。
早い話が中華街の「食べるラー油」は「中華街の料理の素」だ。
「中華料理の素」ではない。
「中華街の料理の素」だ。
飯に掛けて食ってみると、中華街のどっかで食った料理の味になる。不思議だ。
中華街の料理の平均値を取った様な味で、飯に掛けるだけで中華街の料理が出来上がるといった感じだ。風水とは全く関係ないが、これは食ってみて頂きたい。(写真は参考で、私の買ったやつではない)


 

最後に

中国や香港(今となってはどっちも中国だが)では、建物を建てる時に風水師がデザインしているとか云った話をよく聞く。
「でっかいビルを建てるのにも風水師の言いなりで建てるのだから、風水と云うのは本物なんだ」
と認識してしまい勝ちだが、金出してビルを建てるのも人間、風水師も人間だ。ビル建設に風水を絡ませるのは個人の単なる信念の発露であって、風水が自然界の法則であるからでは決してないのだ。

公の場で多くの人が知る所となるこうした建設工事を「風水でやった」と断言するからにはホントなんだろうとは決して思ってはいけない。
「新聞に幽霊話が載った」からといって、イコール「幽霊が存在する」と直ちに結論付けてしまう様なのも同じだ。
新聞記者も、掲載のOKを出す人も、幽霊の存在を実験で証明出来る様な科学者ではない。
実験や観察で幽霊の存在を確信してから新聞に載っけてる訳ではなく、「こういう目撃情報が有ったそうだよ」と言っているに過ぎない。

何十人何百人、何千万人何億人が信じているからといって、ホントかどうか証明出来ないものはホントであるとは言えない。
仮に何億人の人がキリストの奇跡やら神父の悪魔祓いを信じていたとしても、一体どれくらいの信者がそれを目撃した上で存在を確信しているのだろうか。何億人の裡の殆どが、「多分ホントだろう。見た事ねえけど」程度の話である筈で、「信じる人数が多けりゃホント」と云うのが如何におかしな考え方かが分かる。

風水が本物だとすれば、それを実践すれば金は入って来るし、全てが平穏無事でラッキー続きになる事だろうが、中国全土でそれを数千年続けて来たんなら、中国人があんなにさもしい根性になるだろうか。あんなに経済格差が拡がり、内戦を何度も繰り返し、農民の暴動が年に百以上を数える様な事態を数千年来続けて来るものだろうか。

2009年はアメリカの経済危機につけ込んで、大量の米国債を持って居る事を笠に来たエラそうな態度だが、やっと経済力で大きな顔が出来る様に成ったのも茲数年であり、それ以前は他国に金をたかる貧乏国家だった。その経済力だって砂上の楼閣の様な物だと云う。どっかが狂えばたちまち崩壊の危機に陥る状況に在る中国経済。風水で何とかならんのか。

アメリカインディアンのラッキーアイテム「ドリームキャッチャー」を車に吊るしている人を見掛けるが、当のアメリカインディアンは自分達の土地を白人に追われて狭い居住地に追いやられ、民族固有の言語も失いつつある現状からも、大してドリームキャッチャーに効果が無かった事を伺わせる。(が、そもそもドリームキャッチャーとは、睡眠中に見たラッキーな夢が逃げない様に使う物であって、闇雲に幸福を招く様なアイテムではなかった様な気がするが)

パワーストーンも人気だが、それが本当に力を持って居るのなら、それを用いて来た民族が滅亡したり、内戦を繰り返したりはしないんじゃなかろうか。
パワーストーンを掘り出して、安い価格で業者に持って行かれる労働者達なんかもいるんじゃないだろうか。そういう人達が居たとしたら、其の人達の生活水準だって向上しないとおかしいが、其の辺りはどうなっているものか。

ミサンガ(プロミスリング)も一時流行った。あれは南米の物だが、南米の生活水準だって高いとは言えまい。


これらを総括して考えるに、こういうラッキーアイテムだとか風水理論等というものは、効果が本当に有るのかどうか実証・確認のしようが無い。従って風水などに関して、「〜〜すればラッキーを呼び込めます」「〜〜して金運を上げられます」等という表示をしている所は表示を改めるべきではないか。慥か薬事法か何かでは、然るべき薬効を認められた薬品以外には「痩せられます」「シミが消えます」等の表示を許していなかったと思う。風水等の効果の表示には薬事法に相当する規制は無いのかも知れんから、こういう表示を止めよとは言えんだろうが、であれば消費者側からこうした表示への警戒をするに如くは無いだろう。
兎角こうした物には大枚をはたいて飛びつき勝ちだが、よく考えてから臨んだ方が良い。
 



 

風水の基本へ戻る 
管理人の世界へ戻る 
トップページへ戻る 
inserted by FC2 system