風水アイテム |
アイテムを用いる 風水上好ましくないと判断された箇所には、 「アイテムを置く事で、無理矢理帳尻を合わせちまおう」 と云う発想が生まれる。 例えば自分の位置が「木」の要素を持ち、自分に対面する何かが「金」の要素を持って居る等の場合は、(金克木)と成るのでこちらに都合が悪い。そこで、金と木の間に「水」の要素を持つ、例えば金魚鉢等を置く事で「金は水を生じ(金生水)水は木を生ず(水生木)」という相生の流れが作り出せ、且つ赤色である金魚は「火」の要素を持って居るので、こちらに害の有る金の要素に対して(火克金)、つまり金の要素を打ち消す効力を持つので、其処で生じる悪影響を解消出来るという論理だ。 道具、アイテムで「無理矢理何とかする」方法を、ケース毎に見ていこう。 |
龍脈を作る |
四神相応を作り出す 風水上好ましいロケーションと云うのは、先にも述べた様に東西南北(中国では東南西北)に青龍・白虎・朱雀・玄武の四神を象徴する物がある状況であるが、それもアイテムで無理矢理作り出す。 いずれの写真もめんどくさいので四神がセットになった物の紹介。 置き方 [方法一]家の中心に立ってメインの入り口の方を向き、其の方向を南、右手が西、左が東、後ろが北と考えて夫々の像を置く。 [方法二]上の方法を、方位磁石を用いて正確に東西南北を割り出して、正確な方角に置く。 どっちの方法がいいかは状況に依るらしいので、両方試すといいらしい。 普通は四神相応にしたら其処でやめるんだろうが、前ページ一番上の表に示した様に、東西南北の中央にだけ聖獣が居ないので、便宜的に麒麟を配する考え方も有る様だ。だからといって四神相応の状況を作り出すのに、部屋の中央に麒麟の像を置いたりはしないだろうが、一応麒麟の像も紹介しておく。 ペア麒麟 麒麟は雌雄同型で、それをペアで置く。一体、亦は三体で置く事も有る様だ。リビングに置けとか玄関に置けとか、指示が定まらない。 |
こじつける 凹面八卦鏡の項で言ったが、もう一度凹面鏡の説明をすると、 「煞気を良い気に変えてしまう効果有り。その理由は凹面鏡というのは映りが逆になるからで、そっから転じて煞気が逆になって良い気になる」 となる。これはこじつけだ。 一番上の五行の表も根拠が不明確だし、五行相生・相克もこじつけだ。 「煞」というのは「殺」とも書き直される様に、まあ「悪い物を誘発する気」みたいな意味か。 例えば上でも述べたが、隣の屋根の角がこちらに向いている時は「屋角煞」と言う様に、何か尖った物が見えるとか、こちらに向いてるといった状況が有ると、大概「なんとか煞」と名が付いたりする。 それからT字路の突き当たりに家が在った場合を「路沖煞」とか云ったかな?「T字路の突き当たりは危ない」と云う理由の他に、「尖った物がこっちを向いてる」もそうだが、これ等を「気の流れ」で説明されれば、「はあ、そうなんすか」と言えなくも無い。つまり、 「先端や突き当りからは攻撃的な気が出ているんです」 と言われたらそれまでだと云う事だ。が、中には明らかにこじつけじゃねえのかという煞もある。 「天斬煞」と云うのは、家の両脇に高い建物が在る場合の煞。理由は、「上から斬られる様な圧迫感が有るから」だそうだ。「押し潰される様な」ならまだ解るが、何でいきなり「斬られる様な」と云う表現が出て来たものか。どっちにしろ圧迫感が有るから何だと云うのか。気の話と全然関係ねえじゃねえか。だがこれも、 「押し潰される様な圧迫感が在ると云う事は、そんな圧迫する気が出ているからなんだよ」 と言われれば、「はあ、そうなんすか」と言う他有るまい。 もっと酷いのは「火形煞」と云うやつで、「家から赤い屋根が三つ見えたらヤバイ」のだそうだ。理由は「火を連想させるから」。 「あんたが勝手に火を連想してるだけじゃねえのか」 と言いたくなる。「あしたのジョー」の矢吹丈は、鑑別所の性格診断で「赤と云う色から何を連想するかね?」と訊かれて、「血」と答えている。因みに私なら「ポスト」だ。 火を連想して困るなら連想しなきゃいい。イチイチ何処かの風水先生の連想した物を気にしていたらキリが無い。 いや、其の前に赤い屋根なんかを首を上下左右に動かしながら、わざわざ探すんじゃない! 見付けなきゃ判らん様な物をわざわざ見付けて文句を付けるんなら何だって出来よう。 赤い物が悪いんなら、別段屋根に限定するのも不自然だ。 「東京タワーと交番の赤電球と、闘牛の赤布が見えるから八卦鏡を取り付けましょう」 でも可笑しくあるまい。 赤は火を連想・・・と云うのは五行思想から来るもんだろうが、では黒い物は水を連想させるので、湿気によるカビ・疫病やら洪水を惧れなくていいんかい?と云う話にもなろう。 或る程度の規模の都市に住んでいれば、赤い屋根なぞ腐る程見付かりそうだが、風水師は東京のど真ん中ででもイチイチ文句を付けるのだろうか。 拙サイト中「儒教」コンテンツの 民間信仰の項目でも触れたが、逆さ福の字を壁に貼る風習も、 福が倒れる「福倒了(ぷーたおら)」と、福が到来する「福到来」の発音が似ている事からのこじつけだ。 亦、風水鑑定上、家の中心に「西」を持って来なくてはならない場合にどうするかと云った案件の解決法が、何と鳥かごを家の中心に持って来る事であって、それは何故かと云うに、「鳥は酉であり、酉と云う字は西に似ているから」と云うこじつけの解決法だった。 それから、家の寸法が風水上良くない寸法であった場合、例えば梁の長さとか柱の長さを今更変える訳にいかないと云う事が有る。そんな時に風水上の悪い寸法の表示が一切消された、 風水尺 ↑こういう物を家に取り付けて、「寸法が良かった事にしよう」ってんで解決してしまうとか、兎角こじつけ疑惑が絶えない風水なのであるが、アイテム上「こじつけじゃねえんか」と云った類いの物を色々挙げてみよう。 先ずはコウモリ。 まんまコウモリ 八卦の上にコウモリマーク コウモリは漢字で書くと蝙蝠。 此の二文字目の「蝠」の字の発音が「福」の字の発音と似ていると云う、それだけのこじつけ。 そして、 これは何でしょう。 犬です。入り口付近に外に向けて置くと番犬になるんだそうだ。銅製の犬で邪を跳ね返せるんなら、、本物の犬だったら駄目なんだろうか。犬を飼ってない人向けか。 今更乍らに申上げるが、風水でこういうアイテムを使う場合、銅製がいいんだそうで。 してみれば銅製の101匹わんちゃんの置物でもいいのか。其の前に犬じゃなくてもいいんじゃないか。 風水の獅子 ↑例えばこう云う立派な物があるんだったら、こう云う物を外に向けて置きゃあいいんであって、わざわざ哀愁漂う犬を使う要は有るまいと思われるのだが。 次に、 馬。 馬は精力旺盛と云うか生命力を象徴するので、財運と事業運を高めるんだそうだ。 旺盛な生命力は、別にこれも馬ばっかりじゃないんじゃないかと云う気も。ヘビとかゴキブリじゃ駄目なんかい。 それから昔は馬を交通手段として使っていたんで、 引越し、転職、人事異動の際にも頼れるらしい。移動手段と云う事なら家の駐車場に車やバイクが有るだけじゃ駄目か?銅製じゃないから。 更に、 にわとり。 説明文を読むに、 「向かい側の建物の外壁に非常用のはしごのようなものが掛かっている場合は、陰の気を発生させるムカデを連想させるから、風水上良くないとされている」 そこで、銅製の鶏を窓辺にハシゴヘ向けて置くことで、 「鶏が虫を食べてしまうように、陰の気をついばんでくれる」 更に、 「疳の虫、浮気の虫も食べてくれるといわれています。」 ですって。 販売会社に依っては、 「自分に悪い噂が立たない様に」置くんだそうだが、これは根拠が良く分らん。 こじつけの最たるものは、 「鶏の置物を置くと、電磁波対策に良い」 と云うもので、其の理由が、 「電線はミミズに似ているから、電線から発する電磁波を喰ってくれる」 んだそうだ。 ミミズ状の物体から放射される電磁波しか喰ってくれないのか。 逆にミミズ状の物体から放射される電磁波は全部喰ってしまうのだろうか。だとしたら、白熱球のフィラメントから発する白色光も喰ってしまうのか?ダウンライトの下で暮らしている人は大変だ。 人間の血管も、赤外線くらいは放射しているが・・・。 そもそも「ミミズに似ているから」だと言うんなら、電磁波によらずミミズに似ている物なら何でも喰ってしまうのだろうか。それも場合に依っては困るんではないかと思われる。 |
最後に 中国や香港(今となってはどっちも中国だが)では、建物を建てる時に風水師がデザインしているとか云った話をよく聞く。 「でっかいビルを建てるのにも風水師の言いなりで建てるのだから、風水と云うのは本物なんだ」 と認識してしまい勝ちだが、金出してビルを建てるのも人間、風水師も人間だ。ビル建設に風水を絡ませるのは個人の単なる信念の発露であって、風水が自然界の法則であるからでは決してないのだ。 公の場で多くの人が知る所となるこうした建設工事を「風水でやった」と断言するからにはホントなんだろうとは決して思ってはいけない。 「新聞に幽霊話が載った」からといって、イコール「幽霊が存在する」と直ちに結論付けてしまう様なのも同じだ。 新聞記者も、掲載のOKを出す人も、幽霊の存在を実験で証明出来る様な科学者ではない。 実験や観察で幽霊の存在を確信してから新聞に載っけてる訳ではなく、「こういう目撃情報が有ったそうだよ」と言っているに過ぎない。 何十人何百人、何千万人何億人が信じているからといって、ホントかどうか証明出来ないものはホントであるとは言えない。 仮に何億人の人がキリストの奇跡やら神父の悪魔祓いを信じていたとしても、一体どれくらいの信者がそれを目撃した上で存在を確信しているのだろうか。何億人の裡の殆どが、「多分ホントだろう。見た事ねえけど」程度の話である筈で、「信じる人数が多けりゃホント」と云うのが如何におかしな考え方かが分かる。 風水が本物だとすれば、それを実践すれば金は入って来るし、全てが平穏無事でラッキー続きになる事だろうが、中国全土でそれを数千年続けて来たんなら、中国人があんなにさもしい根性になるだろうか。あんなに経済格差が拡がり、内戦を何度も繰り返し、農民の暴動が年に百以上を数える様な事態を数千年来続けて来るものだろうか。 2009年はアメリカの経済危機につけ込んで、大量の米国債を持って居る事を笠に来たエラそうな態度だが、やっと経済力で大きな顔が出来る様に成ったのも茲数年であり、それ以前は他国に金をたかる貧乏国家だった。その経済力だって砂上の楼閣の様な物だと云う。どっかが狂えばたちまち崩壊の危機に陥る状況に在る中国経済。風水で何とかならんのか。 アメリカインディアンのラッキーアイテム「ドリームキャッチャー」を車に吊るしている人を見掛けるが、当のアメリカインディアンは自分達の土地を白人に追われて狭い居住地に追いやられ、民族固有の言語も失いつつある現状からも、大してドリームキャッチャーに効果が無かった事を伺わせる。(が、そもそもドリームキャッチャーとは、睡眠中に見たラッキーな夢が逃げない様に使う物であって、闇雲に幸福を招く様なアイテムではなかった様な気がするが) パワーストーンも人気だが、それが本当に力を持って居るのなら、それを用いて来た民族が滅亡したり、内戦を繰り返したりはしないんじゃなかろうか。 パワーストーンを掘り出して、安い価格で業者に持って行かれる労働者達なんかもいるんじゃないだろうか。そういう人達が居たとしたら、其の人達の生活水準だって向上しないとおかしいが、其の辺りはどうなっているものか。 ミサンガ(プロミスリング)も一時流行った。あれは南米の物だが、南米の生活水準だって高いとは言えまい。 これらを総括して考えるに、こういうラッキーアイテムだとか風水理論等というものは、効果が本当に有るのかどうか実証・確認のしようが無い。従って風水などに関して、「〜〜すればラッキーを呼び込めます」「〜〜して金運を上げられます」等という表示をしている所は表示を改めるべきではないか。慥か薬事法か何かでは、然るべき薬効を認められた薬品以外には「痩せられます」「シミが消えます」等の表示を許していなかったと思う。風水等の効果の表示には薬事法に相当する規制は無いのかも知れんから、こういう表示を止めよとは言えんだろうが、であれば消費者側からこうした表示への警戒をするに如くは無いだろう。 兎角こうした物には大枚をはたいて飛びつき勝ちだが、よく考えてから臨んだ方が良い。 |
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